2023年6月15日木曜日

iPhone 14 Pro Maxでスマスコ


iPhone 14 Proで一番の注目点は、やはり48MPになったメインカメラのイメージセンサーでしょう。
高画素化したカメラは、スマスコに何をもたらしてくれるのでしょうか?
(iPhone 14 Proのカメラについてはこちらを前提に書いています)

●アダプター

まずはスコープと接続するためのアダプターについて。
アダプターは12 Pro Maxで作った『Shiftアダプター』を14 Pro Max用にアップグレード。

メインカメラと望遠カメラを簡単に切り替えられます。

DMM.makeのクリエイターズマーケットにて14 Pro、14 Pro Max用のパーツを注文できるようにしてありますが、生産終了となってしまったKOWAのTSN-IP5が必要となります。

●撮影

まずは基本(基準)となるクアッドピクセルの12MP。

12 Pro Maxより精細度、シャープさが増した印象を受けます。

撮っていて感じたのが、オートフォーカスの挙動が変わった?ということです。

通常、ピント合わせは、

スコープで大まかなピント調節→iPhoneのオートフォーカスが動く→スコープでさらにピントを合わせる(追い込み)

といった流れで合わせていますが、これまでiPhoneのオートフォーカスは動いたか動いてないか分からないことが多く、それほど重要性はありませんでした。
それが14 Proでは、オートフォーカスが活発に動くのです。
時には追い込みが必要ないくらいにピントを合わせてくれることもありますが、逆に、スコープの大まかなピントを適切に持っていかないと、オートフォーカスが迷ってフォーカスを合わせてくれません。

これによりピント合わせが楽になったかというとそんなこともなく、結局は最後の追い込みが必要なことに変わりはありません。
ただ、Super Retina XDRディスプレイのおかげもあり、ピントのピークが掴みやすくなったと感じます。

1xで撮影していると、突然、画面が真っ暗になることがありました。
この現象は、スコープを真っ暗な藪の中など画面が真っ暗になるようなところに向けると起こります。
これは、iPhoneがアダプターで覆われている超広角カメラの状態と勘違いしてマクロモードに切り替わっているのです。
この現象を防止するには、設定>カメラ>マクロ撮影コントロールをオンにして、撮影中にマクロモードのアイコン(チューリップのアイコン)が出たらタップしてオフにします。


12MPでも十分キレイに見えますが、それでは48MPはどうでしょう?
と、ここでバキバキの48MP写真を載せたいところですが、あいにく14 Pro Maxを手にしてから「これは48MPで撮りたい!」という瞬間に巡りあっていないのでテスト程度の写真しか撮れていません。
そのテストというのが、12MPと48MPでどれだけ差が出るのか?ということを何度か試していました。

写真全体を見る限りでは、期待していたほど差は出ませんでした。
解像度よりピントの追い込みによる差のほうが大きく影響する感じです。(ええ、すみません技量不足です)
しかし、拡大してみると違いは明らかです。
精細さだけでなく、ボケた背景の滑らかさも大きく違います。

とはいえ、48MPで撮るにはProPAWにしなくてはいけません。そうすると、1枚あたり100MB前後ものファイルサイズになってしまいます。
常に48MPで撮りたいなら、ProCameraなどのサードパーティ製アプリを使うとHEIF・JPEGで撮影でき、1枚あたり10MBほどで収まります。

もう一点、48MPで撮ればレンズ交換式カメラのようにトリミングしても劣化が抑えられるのでは?
それはその通りなのですが、トリミングするくらいなら、はじめから2倍で撮ったほうがいいでしょう。
なぜなら、ミラーレスなどのカメラはオートフォーカスでピントを合わせてくれますが(しかも最近では鳥の瞳にピントを合わせてくれるとか!)スコープでは手動でピントを合わせなければなりません。
そうすると、1倍の画面より2倍に拡大した画面のほうが、より精細にピントを確認できるからです。


その2xについて。
2xでの撮影は、望遠カメラを使う3xと違ってメインカメラを使います。
その利点として、3xの望遠カメラより明るいことと、1xの広角から1タップで切り替えられることがあります。
タップするだけで迫力あるクローズアップができるのは楽しいです。


望遠カメラは3倍となりましたが、イメージセンサー自体は12 Pro Maxと変わらないようです。
ただ、薄暗い場面では細部の再現性やノイズが低減してるように見えます。
大きな進化はないけど、着実に改善されているといった印象です。


ナイトモードは、これまでの暗いところを無理に明るくしようとすることもなく、また赤みがかっていた色味も自然な感じになりました。


動画関連での新機能はアクションモードとシネマティックモード。
まるでジンバルを使っているかのようと評判のいいアクションモードですが、スマスコのような望遠撮影にはなんの効果もありませんでした。
シネマティックモードは13シリーズからの機能で、撮影した後から編集でフォーカス位置を変えられるという機能です。
被写界深度の浅いスコープで動き回る鳥を撮影する時、大まかにピントを合わせておけば、後から編集で絶えずピントを合わせ続けられる動画にできるのでは?と思ったのですが、撮影時、常にフォーカスがこまかく動いて、なかなか思ったところにピントを合わせてくれません。
それを編集でフォーカスが合わせられるかというと、ほとんどうまくいきません。
これなら通常のビデオモードで自分でピントを合わせたほうが、まだマシだと思いました。

その他の動画関連、通常の4K動画やスロー動画、QuickTake動画などは、目に見えるような進化は感じられません。


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これまでの写真、4K動画やスロー、QuickTakeなど各種撮影モードに加え、新たに48MPの高解像度撮影、タップするだけで切り替えられる2倍ズームと、iPhone 14 Proでスマスコはさらに楽しさが広がりました。
ただ、撮影の選択肢が増えた分、頭の中を整理しておかないと、どの撮影モードで撮ったらいいのか迷ってしまいそうですが……。