2019年10月12日土曜日

iPhone 11 Proをスマスコで使用するための考察

はじめにお断り……私はiPhone 11 Proを買っていません!
昨年XS Maxを買ったばかりですし、毎年毎年買い替えられるような財力もないので。

しかしながら、iPhone 11 Proは持っていなくても、iPhoneをスマスコで使うためのノウハウは持っているつもりです。
なので、公開されている仕様と、Apple Storeに行って実機でいろいろ試してきた結果を踏まえて、iPhone 11をスマスコで使うためのポイントや注意点などを検証してみたいと思います。


●カメラアプリ
デュアルカメラを搭載したiPhoneの標準カメラアプリは、基本的に複数のカメラユニットが相互に関連しあって機能しています。
11 Proではどうか?レンズを隠すための紙を作ってアップルストアで試してきました。
結果、11 Proでも同様で、広角カメラを隠してしまうと望遠カメラが使えなくなってしまいました。
ですから、11 Proの望遠カメラを使ってスコープに接続すると、標準カメラアプリは真っ暗になってしまい使えなくなってしまいます。
望遠カメラを使う場合には、手動でカメラを切り替えられるサードパーティ製アプリが必要になります。

スマスコで使うことはないと思いますが、超広角カメラも興味深い挙動をします。
超広角カメラだけを残して、他の2つのカメラを覆い隠すと、全体的に白飛びしてしまいました。

露出を手動で下げてみても、白飛びの状態から暗くなるだけです。

どうやら、超広角の露出情報は、広角カメラのものを使用しているようです。
しかし、これは「写真」モードの場合で、「ビデオ」では普通に使えました。


そして、なんといっても、標準カメラアプリではこれが大きい!
バーストモードの操作が、決定的に変わりました!
シャッターボタンの長押しは、ビデオ撮影になってしまいましたーーー!!

バーストモードで撮るには、シャッターボタンをタップして、即、下にずらします。(縦位置の場合は左にずらす)

「即、ずらす」のです!シャッターボタンを押していてビデオ撮影に移行してしまうと、下にずらしてもバーストモードには切り替わりません。

ボリュームボタンでのシャッター操作も同様です。押し続けると動画撮影に移行してしまいます。
この動作を変更するための設定もありません。

この操作の変更は、一般的には歓迎されているようですが、スマスコでは致命的です。
これで、スマスコでは標準カメラアプリが使えなくなってしまったと言っても過言ではありません。(少なくとも写真撮影では)
標準カメラアプリのバーストモードは、連射速度、安定性、操作性、どれをとっても他のカメラアプリと比較にならないくらい優れています。

また、Live PhotosやスマートHDR、新機能のナイトモードやDeep Fusionといった独自の機能であったり、写真とビデオ、スローモーションなどのモードの切り替えが簡単に素早くできたりと、細かい設定はできませんが、非常に使い勝手がいいので、標準カメラアプリが使えないのは、正直、苦しいです。

仕方ないので、iPhone 11シリーズではサードパーティ製カメラアプリを使うことになるでしょう。
参考までに、私がXS Maxでよく使っているサードパーティ製カメラアプリは『ProCam 7』です。



●フォトアダプター・ケース
次に、iPhone 11 Proをスコープに接続するためのアダプターケースの作成について考えてみます。
アダプターケース作成の詳細は、こちらを参照してください。
iPhone 7 Plus用フォトアダプターを作る - 1
iPhone XS Maxでスマスコ - 1 〜フォトアダプターを作る〜

背面カメラは、3眼になってゴツく見えますが、出っ張りはXSよりも低い1.21mmとのこと。これならケースの選択肢も多そう。

ちなみに、iPhone 11は1.48mmで、XSよりも若干、高くなっています。


ベースとなるケースは、以下のような条件を満たしているのが理想的。
・ハードケース、もしくは背面がポリカードネートのハイブリッドケース。
・背面の厚みが1.2mm以上で全面フラットなもの。レンズ部の周囲が盛り上がっているものはダメ。
・両面テープの粘着力を考慮して、表面仕上げが梨地や模様の刻まれているものは避けましょう。
・色は艶消しブラックが一番いいのですが……(あるかな?)


iPhone 11 Proに、TSN-IPシリーズのプレートをつけたらどうなるかシミュレートしてみました。
赤色がTSN-IP5、青色(塗り)がTSN-IP6、濃い青のアウトラインだけのものがTSN-IP7。

これまでのiPhoneと比べると、カメラ部分が大きくなっているので、その分、貼り付け面積が減ってしまいます。
特に11 Pro Maxは重量も重くなっているので、もっとも面積の広いTSN-IP5を使いたいところです。

TSN-IP6とIP7は、面積は同じですが、接続リングの位置が違います。
その関係から、IP7を11 Proに使うと、貼り付け面積がIP6よりも小さくなってしまいます。
それでも、IP7のほうがバランスがいいかな?


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動く被写体を撮るのに、標準カメラアプリは使いにくくなってしまいましたが、11 Proは現時点で最高のカメラを持ったiPhoneであることに変わりはありません。
特に望遠カメラはf2.0となり、XSよりさらに明るくなって、6sのf2.2よりも明るくなりました。
また、サードパーティ製の高機能なカメラアプリは、シャッター速度やISOなどをマニュアルで変更できるものが多いので、手軽さという点では標準カメラアプリには敵いませんが、より深く写真を撮影できると思います。
これからiPhone 11シリーズでスマスコをしようという人は、数あるカメラアプリの中から、自分に最適なアプリを見つけてください。


【追記】
iOS 14で、iPhone 11シリーズでもボリュームボタン(音量を上げる側)を押してバーストモードが使えるようになったのでレリーズ取付ホルダーが使えるようになり、標準カメラアプリが使えるようになりました。

手軽にスマスコを試してみたいという人は、こちらもご参照ください。