それから1ヶ月後の2月、正月以来の久しぶりの撮影です。
その時に「あれ?パンって、こんな軽かったっけ?」と違和感を感じました。
フルードの粘りがない。
素早く動かしてみても、ウィップ・パンも関係なく常に同じ軽さで回ります。
常にウィップ・パン。
かといって、傾斜させて三脚を設置しても、低いほうに流れることもありません。
購入してから1年とちょっと、撮影で使用したのは正味14日。落としたりぶつけたりといった衝撃が加わったこともありませんし、荒い使い方をしているとも思えません。
フルードは、こんなに早く劣化するものなのか?
ちょうど、2月末にCP+があるので、そこでマンフロットの人に聞いてみることにしました。
CP+でマンフロットのスタッフに相談してみると、会場で展示してあった同型のジンバル雲台もパンがけっこう軽くなっていたのですが、これよりも軽いということは修理に出したほうがいいとのことでした。
しかし、雲台の基本保証の期限である1年は過ぎています。
6年の延長保証を受けるためには、購入から1年以内に専用のWebサイトから製品登録をしなければなりません。
ところが、この雲台を購入したちょうどその頃、マンフロットの製品登録・保証のサイトがメンテナンス中で製品登録ができず、その状態が何ヶ月も続いて、そのうちに忘れてしまいました。(確か、半年以上経った5月にも試みたけど登録できませんでした)
会場で対応してくれたスタッフの方も、その辺のことは把握していたようで、購入した販売店に電話しておきますので、そちらから修理に出してくださいと話してくれました。
それから2週間ほどのち、購入したヨドバシカメラに行って、三脚コーナーで店員にCP+での経緯を話してみると、そのような電話は誰も受け取っていないとのこと。
会場で対応してくれたスタッフの名前でも聞いておけばよかったのですが、もうどうすることもできません。
仕方ないので、とにかく修理に出すことにしました。
ヨドバシでは、修理カウンターですべての商品の修理を一括して受け付けています。
修理担当の店員はこんな特殊な雲台のことも把握しているのか?と少し不安に思いつつも症状を説明します。
しかし、「パンのフルードが緩くなって……」と、ちょっと説明しただけで、本体の動作を確認することもなく、書類を書き込んでいきます。
え?これで分かったの?とも思いましたが、他に壊れているところもないし、よくある事例なのかとも思い、そのまま預けてきました。
GITZOの場合、3週間くらいかかるということでした。
まず、修理会社から見積もりがハガキで届いて、その内容、料金で了承したら、そこから実際に修理して返却となるとのことです。
しかし、ハガキは届かず、2週間ほど経ったくらいにヨドバシから電話がかかってきました。
異常なしで戻ってきたというのです。
異常なし?メーカーの人も本体交換になるかも、というような症状で異常なし?
とにかく店まで受け取りに行きました。
そこで作業報告書を見て愕然としました。
【お客様指定箇所】という欄に書かれていたのは……
「パン用ネジ不良 ご指摘」
ネジ?????
この段階で、はじめて、どういう内容で修理を依頼されていたかを知って愕然としました。
【ご連絡欄】に書かれていた検証内容は……
三脚接続ネジ穴、パン棒ロックネジのネジ、カメラプレートロックネジ、パーンロックネジ、チルトロックネジ、プレート接続台座ロックネジ……
「各ネジ穴を検証しましたが、現象確認出来ませんでした。」
🤬(その時の感情を表す適切な言葉が見つかりません)
私:「いや、そうじゃないんですが!」
店員:「でも、修理を出した場合、メーカーは依頼された箇所だけでなく、全検査するので、それで異常なしと判断したと思いますので……。このまま受け取るか、それか、もう一度、改めて修理に出されるか……」
確かに全検査してますね、ネジを……。
再度修理に出すと、また3週間ほど待たされることになります。
この日は、そのまま受け取って帰ることにしました。
しかし、帰ってから動きを確認してみても、フルードの粘りがないのは変わっていません。
やはり納得がいかないので、時間がかかってもいいから、再度修理に出すことにします。
今度は、修理カウンターではなく、三脚コーナーに持って行き、そこで対応してもらいました。
ちゃんと修理依頼内容を確認してくれて、パンのフルードがゆるくなっているという【ご指摘】で修理に出されました。
それから2週間ほどして、今度はハガキが届きました。
「パーンの作動不具合、フルード及びウィップパーンの機能が効いていない為
パーンユニットを部品交換致します。」
その見積もり料金が
¥53,924!!
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未修理返却にしました。
・その理由
私の雲台だけでなく、CP+の会場の展示品、ヨドバシの店頭の展示品、どれも私の雲台ほどではないですが、パンが軽くなっていました。通常の回転とウィップ・パン時の回転と大差ないほどの感触です。
ということは、再発することも十分考えられます。
そうなったら、また5万円です。
それなら、現状のまま使えるところまで使い倒して、どうしようもなくなったら新品に買い直し、次はちゃんと製品登録をして使ったほうがいいと考えました。
このまま使い続けるとどうなるかというのも興味ありますし。
現状、フルードはゆるゆるですが、かといって、まったく効いてないわけではなさそうです。
ベアリングの感触とも違います。
使えないことはない、という状態です。
未修理にして、言ってみれば壊れた状態のまま使い続けなければなりませんが、
・このパンの状態は、正常な状態でないこと
・指摘した修理箇所が明らかに違っていても「全検査したはずだから問題ない」ということに対する立証
・修理代金
これらが分かっただけで個人的には意義がありました。
【追記】
それから1年ちょっと経ちました。
症状は変わっていません。
変わっていない……すなわち、それ以上悪化もしていません。
使用感としては、動画撮影の際にフルードが効いていれば……と思うことがありますが、写真撮影時には、それほど困ることはありません。
「腐っても鯛」です。
人に勧めるかどうかは別として、もし今、自分がジンバル雲台を買い換えることになったら、また、この雲台を買うことにします。(なんか悔しいですが)
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