近年、iPhoneのカメラも解像度が上がり、これまでの12MPから48MPへとなりました。
48MPをフルに生かすためにはケラレの出ない広い視野を持ったアイピース、広視野アイピースが必要です。
この広視野アイピースの“広視野”とは、規格としての基準はないようですが、個人的には見掛け視界が80°、最低でも70°以上は欲しいところ。メーカーの説明を見ても、だいたいそんなところです。
フィールドスコープ用アイピースで、これほどの広い視野を持ったアイピースは、PROMINAR(コーワ)のTE-80XW(https://amzn.to/3RpoGm8)くらいでしょうか。
TE-80XWは、見掛け視界80°という広視野なアイピースです。
実際には、iPhone 14 Proの場合1.1xほどズームしなければなりませんが、他のアイピースより圧倒的にケラレが少ないです。
しかし高い!10万円ほどします。いつかは買ってもいいと思うのですが、とりあえず広視野アイピースがどんなものか試してみたいと思い調べてみると、天体望遠鏡用のアイピースにいくつか種類があることが分かりました。
フィールドスコープのアイピースはメーカーごとに取り付け方が違うので互換性はありません。また、種類も少なく、スコープ一機種につきアイピースは2、3種程度です。
しかし、天体望遠鏡用のアイピースは規格が決まっていて、同一サイズのものならメーカー問わず取り付けられるので選択肢が豊富です。
とはいえ、天体望遠鏡用のアイピースをフィールドスコープで使えるのか?
実は、天体望遠鏡用アイピースの規格を取り入れているフィールドスコープがあるのです。
PENTAXです。
対物レンズ有効径65mmのPF-65EDⅡ、80mmのPF-80ED、85mmのPF-85EDAの3種すべてで差込口が31.7mmの天体望遠鏡用のアイピースが使えます。
そして、そのPF-65EDⅡ(https://amzn.to/45uKeUb)が中古カメラ屋さんに置いてありました。
はい、買いましたとも。
外観はキレイとは言えませんが、レンズは問題なし。テスト用としては十分です。
テストベッドが手に入ったので、天体望遠鏡用のアイピースも揃えました。
Vixen SSW14mm(https://amzn.to/45uKKBB)とNikon NAV-7SW(https://amzn.to/3yT7wXy)です。
2つとも3万円ほどでした。
「でした」と過去形にしたのは、VixenのSSWシリーズは生産終了で、Nikon NAV-7SWはセール価格だったからです。
(注:PENTAXの中古スコープと2つのアイピースと合わせればTE-80XWが買えるのでは?とか考えないように)
この2つのアイピースの見掛け視界は、
Vixen SSW14mm:83°
Nikon NAV-7SW:72°
と、Vixen SSWはTE-80XW以上の広視野です。
ちなみに、PROMINAR(コーワ)の代表的なアイピースTE-11WZⅡの見掛け視界は60倍で69.2°です。これでも十分、広いほうです。
天体望遠鏡のアイピースは、倍率ではなく焦点距離で表されます。
Vixen SSW14mmなら14mm、Nikon NAV-7SWなら7mmといった具合です。
倍率で表すフィールドスコープのアイピースと比較しにくいのですが、計算により焦点距離から倍率を求められます。
対物レンズの焦点距離÷接眼レンズ(アイピース)の焦点距離=倍率
ですから、アイピースの数字(焦点距離)が小さいほど倍率が高くなることになります。
計算式に“対物レンズの焦点距離”とありますが、普通、フィールドスコープの仕様に焦点距離の記載はありません。
しかし、天体望遠鏡と同じ規格のアイピースを使うことからか、PENTAXのスコープには本体に焦点距離が記されています。このPF-65EDⅡでは390mmとなっています。
計算すると、
Vixen SSW14mmは、27.857142857142857で約28倍。大別すると30倍クラスのアイピースとなります。
Nikon NAV-7SWは、55.714285714285714で約56倍。こちらは60倍クラスのアイピースとなります。
スコープとアイピースは揃ったけど、iPhoneとの接続はどうするか?
Nikonの天体望遠鏡用アイピースNAV-SWシリーズには別売りで“デジスコ用”のアタッチメント『テレスコープアタッチメントTSA-1』(https://amzn.to/4bXEgxA)という製品があります。
アイピースの目当てゴムがねじ式になっているので、外して交換します。
ただ、そのままではアウターリングを回しても緩くて固定できません。
しかし!このアイピースホルダーの試作で、寸法が少し小さかったためキツくて締め込むことができなかったアウターリングの失敗作があるのですが、これで締め込むとしっかりと固定できました!
失敗も無駄にはならないのです!(強がり)
・・・つづく
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