2021年1月19日火曜日

iPhone 12 Pro Maxでスマスコ 〜3. 写真〜

 12 Pro Maxといえば、なんといっても47%大きくなったイメージセンサー!
……について書きたいのですが、残念ながら、私は12 Proを持っていないので、センサーの大きさによる違いを比較することができません。

ですので、手元にサブ機として残っているiPhone XS Maxと比較して、どれくらい進化したのかを見てみたいと思います。
2世代前の機種と比較したら、センサーサイズも大きくなったことだし、もう圧倒的な差が出るんじゃないだろうか……と期待しながら同じシチュエーションで撮り比べてみました。

うーん……ほぼ差がない。
ちょっとした位置の違いだったり、望遠による大気のゆらぎだったり、スコープ側の微妙なピント操作だったりと、わずかなことで誤差の範囲になってしまいます。

【拡大画像】


鳥や飛行機を撮り比べてみても、どうも煮え切らない。
ディテールは描写されているのですが、なんというかキレがない。
圧倒的な差どころか、なんだったらXS Maxのほうが輪郭もキリッとしていて引き締まって見えます。見栄えがいいです。

【iPhone 12 Pro Maxで撮影】

【iPhone XS Maxで撮影】

「ねむく」見える12 Pro Max。
「クッキリ」見えるXS Max。
しかし、それこそがセンサーサイズの違いなのでしょうか。

上のヤマガラとシジュウカラの写真の拡大画像です。

種は違いますが、くちばしを見ると、12 Pro Maxのほうが階調が滑らかになっているのが分かります。
例えば、XS Maxが「デジタル」なら、12 Pro Maxは「アナログ」といった感じでしょうか。

他にも、ダイナミックレンジは明らかに広くなっていますし、暗いところではノイズが抑えられて、はっきりとした差が出ます。
ただ、それらがセンサーサイズの差なのかモデルの世代差なのかは、やはり12 Proと比べてみないことには分かりません。


一つ、これはセンサーサイズの違いだろうと思えるのは、被写界深度が浅くなったことです。
この点は、家電量販店の展示機で12 Proと比較してきて確認しました。(ホワイトバランスの違いは無視してください)

以前から、鳥の背中にピントが合うと顔がボケてしまっていましたが、12 Pro Maxでは、それが撮影中によく分かるようになり、ピント合わせが難しくなったと感じます。

被写界深度が浅くなったとはいえ、6.7インチSuper Retina XDRディスプレイのおかげか、ピントはつかみやすいです。
また、LiDARスキャナは完全にふさがれて機能していないものの、iPhoneのオートフォーカスは、よく動くようになりました。
XS Maxと比べると、頻繁にフォーカスを合わせる黄色い枠が表示されます。(ただし、ピントが合ってほしいところに合うかは別問題)

iPhoneのオートフォーカスはiPhone 6の時にコントラストAFから位相差AFに変わりましたが、XS Maxで撮影していた時も「これ、コントラストAFじゃないの?」という印象しかありませんでした。
それが12 Pro Maxでは、まさに位相差AFといった感じで、キビキビと動いてくれます。


もう一つの12 Pro Max独自の機能「センサーシフト光学式手ぶれ補正」ですが、ここまでの望遠になると、さすがに効果は認められません。

あと、シャッター音はXS Maxと比べて小さくなりました。
これなら、まあ、良識の範囲内でしょう。


と、はじめのうちはセンサーサイズから見た検証をしようとしていて、あまりいい印象がしなかった12 Pro Maxですが、Deep FusionとスマートHDR 3のことが分かると一変しました。化けました。
先のヤマガラの写真は、Deep FusionもスマートHDR 3も機能していない“ただの”写真です。

XS MaxのスマートHDRで撮影された写真は、ディテールの輪郭がぼやけていて、通常の写真を超えることは滅多にありませんでした。
ですから、12 Pro MaxのスマートHDR 3も、それほど期待はしていませんでした。

また、これまでの歴代iPhoneでは、ずっとバーストモード主体で撮っていたので、12 Pro Maxでも当初はバーストモードを中心に撮っていました。
しかし、バーストモードで撮ると、Deep FusionもスマートHDR 3も機能しません。
そのことが分かって、意識的にスマートHDRで撮ってみると、12 Pro Maxの真の姿が現れてきました。


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正直、12 Pro Maxで撮りはじめた頃は、今回のモデルはハズレ世代か……と落胆していました。
しかし、Deep FusionとスマートHDR 3が分かってからはゾクゾクしています。

AppleのスマートHDR 3【仕組みを見る】には、以下のような一文があります。

「異なる様々なシーンの画像を何度も見せると、A14 BionicのNeural Engineは特定のシーンを学習し、認識できるようになります。まるで人間の脳のようです。」

iPhone 12 Pro Maxはセンサーサイズに目がいきがちですが、発売日からこれまで撮ってきて感じるのは、A14 Bionicのそこはかとない恐ろしさです。


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