通常の写真撮影以外に、スマスコで使いそうな撮影モードを見てみます。
●望遠カメラ
12 Pro Maxの望遠カメラもこれまで同様、広角カメラが塞がれると標準カメラアプリで使えなくなります。
よって、サードパーティ製カメラアプリを使うことになるのですが、どうもよろしくない。
それは後述するとして、まずは焦点距離。歴代iPhoneの望遠カメラは35mm版換算で52〜56mmでした。12 Proの望遠カメラも52mmです。
それが12 Pro Maxでは65mmになります。
60倍のアイピースで使うと、
52mmでは3120mm
65mmでは3900mm
と、けっこう大きな違いになります。(XS Maxは52mm)
より倍率が上がったためでしょうか、ピント合わせが一段と難しくなりました。
鳥が同じ場所にとどまっていたとしても、顔があっち向いたりこっち向いたりするたびにピントが変わってきます。
そんなことからか、サードパーティ製カメラアプリが軒並み“ヘタ”になってしまいました。
なかなかフォーカスを合わせてくれないし、画質もディテールの輪郭がぼやけていて、正直、XS Max以下です。
望遠カメラでの撮影で、ずっと愛用してきた『ProCam』をはじめ、『ProCamera』や『Camera+』もダメ、『Camera M』はまだ良かったかな、といった具合です。
・ProCamで撮影。この写真はいいほうなのですが、拡大すると納得のいく出来ではありません。
スコープをつけずに普通に撮るとXS Maxよりキレイに撮れるので、12 Pro Maxのカメラ自体が悪いわけではなさそう。
「でも、望遠カメラならこんなもんかな?広角カメラのスマートHDR 3との差が大きくなったから余計に物足りなく感じてしまうのかも……」とか考えつつ、これまで、ほとんど使うことのなかった『Halide』というアプリを試してみました。
お?以外にいいかも。
オートフォーカスもけっこう合わせてくれますし(ピント合わせが難しいことには変わりませんが……)、このアプリはDeep Fusionのような合成をしてくれます。
撮れた写真は、他のアプリより頭ひとつ抜けていました。
ただし、最大の弱点が!
合成のためでしょう、連写ができません。
鳥が頭を動かしてピントが合った一瞬を狙うには、連写ができないと厳しいです。
とはいえ、そのことを差し引いても、決まった時の写真を見ると、このアプリを使いたくなります。
●ビデオ 【HDR Dolby Vision】
HDR Dolby Visionで撮影した動画は、iPhone 12シリーズの画面で見るとキラッキラッとまばゆいばかりに輝いて見えます。
詳しくは、こちらの記事を参照してください。
しかし、SNS等に上げると普通の動画になってしまいます。
4K HDRの動画をTwitterに上げてみたら、その画質の劣化具合に残念さが倍増……どころじゃなくて二乗になりました。
YouTubeはHDRに対応していますが、12シリーズの画面で見るような輝きを伝えることができる端末・環境は非常に限られているようです。
・撮影で気になった点
iPhoneのオートフォーカスがよく動くようになったのはいいのですが、動画の録画中にも微妙にピントを合わせようとして、細かくフォーカスが動くことがあります。シチュエーションによっては、iPhone側のオートフォーカスはロックして、スコープ側のみでピント調整したほうがいいこともあります。
※モバイル用Webサイト表示ではYouTubeの埋め込み動画が表示されないようなので以下のリンクをタップしてください。
●ナイトモード
●Live Photos
シャッターを切った瞬間の写真と、その前後1.5秒の動画を記録できる撮影モード。
その3秒の動画の範囲で好きな場面を抽出して写真として保存することもできます。
シャッターを切る前の瞬間も写真にできるので、ちょこまか動き回る鳥を撮影するには、とってもありがたい撮影モードです。
ただし、画質にこだわらなければ、ですが。
動画から抽出した写真は4032 x 3024ピクセルのフルサイズで書き出されるものの、小さい画像を拡大した解像度が低いような写真になります。
・シャッターを切った瞬間の本来の写真と、動画から抽出した写真の拡大比較
●スローモーション
新しいことはないので、キクちゃんの水浴びでも見てください。
●Apple ProRAW
Apple ProRAWは、一般的なカメラのRAWと違い、センサーから出力された「生」のデータではなく、露出やノイズ処理された写真に標準的なRAWのデータも含まれたもの……ということだそうです。
実際に撮影してみると、見た目はHEIFやJPEGで撮影した写真と大差ありません。
そのため、RAWで使われる「現像」という表現は適さないと思います。
・Apple ProRAW(無加工)
Apple ProRAWで撮影した写真を「現像」ではなく「編集」してみました。
陰に入って暗くなってしまったルリビタキ。
暗い写真も劣化することなく明るくできました!という例ではあるのですが、確かに編集による劣化は少ないですが、ProRAWで撮っても、暗いと元の写真のディテールがつぶれ気味になるのは変わりません。
実際に修正後のような明るさで撮れば、もっとディテールが描写されるはずです。
逆に、明るいところで撮った写真は、補正する余地がほとんどないありません。
私が思うにApple ProRAWは、それこそプロのイメージづくりや、フィルター遊びのようなガラリと印象を変えたい時の原版として使うといいのではないでしょうか。
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望遠カメラでも撮りたいし、HDR Dolby Visionのビデオでも撮りたい。ナイトモードも使えるし、ProRAWで撮ってアーティスティックな雰囲気にしてみるのもいいかも。そして普段はQuickTakeで写真のついでに動画も撮影……
と、iPhone 12 Pro Maxは、写真の画質が上がっただけではなく、あれで撮りたい、これでも撮りたいと、撮影の楽しみを広げてくれました。
iPhone 12 Pro Maxでスマスコ
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